人気のアニマルカフェを開業するために必要な手続きは?
近年は、猫カフェやドッグカフェだけでなく、さまざまな種類のアニマルカフェが次々とオープンしています。
ハリネズミカフェ・オウムカフェ・爬虫類カフェ・ペンギンのいるバーまで…。
お茶をしながら、エキゾチックな動物たちを間近に見たり触れたりできるのは、子供だけでなく大人でも、楽しく癒されるひと時を過ごせそうです。アニマルカフェを開業したい方も増えていると思いますが、今回はアニマルカフェを開業するために必要な資格や手続きなどを解説します。
料理を提供する場合、食品営業許可申請が必要
アニマルカフェと一口にいっても、さまざまな形態があります。
店内で料理を作って提供する場合は、所轄の保健所の飲食店営業許可が必要です。 製造しない飲料や軽食の販売だけを行う場合、飲食店営業許可は必要ありません。
営業許可証の取得には、各店舗に1名、必ず専任の「食品衛生責任者」が必要です。「食品衛生責任者」になるには、調理士や栄養士の資格を持っている人なら問題ありませんが、これらの資格がない人は「食品衛生責任者養成講習」を受講しなければなりません(6時間の講習)。
「食品衛生責任者養成講習」は各都道府県の衛生協会が実施しています。
アニマルカフェ開業には、第一種動物取扱業の登録申請が必要
アニマルカフェの場合、もう一つ重要なのが第一種動物取扱業の登録申請です。
『第一種動物取扱業とは、有償・無償の別を問わず反復・継続して事業者の営利を目的として動物の取り扱いを行う、社会通念上、業と認められる行為ことをいいます。
動物の愛護及び管理に関する法律(動物愛護法)と東京都動物の愛護及び管理に関する条例により、登録が必要です。
http://www.fukushihoken.metro.tokyo.jp/douso/dt_gyou/ 東京都福祉保健局のホームページに記載されているように、ペットショップやペットホテルに限らず、アニマルカフェでも、動物の展示(動物との触れ合いの提供を含む)に該当するため、第一種動物取扱業となります。
第一種動物取扱業の対象動物は、哺乳類・鳥類・爬虫類となっており、ハリネズミカフェ・オウムカフェ・爬虫類カフェ・ペンギンバーでも同じく第一種動物取扱業の登録申請が必要です。
第一種動物取扱業の「動物取扱責任者」の要件
登録申請する際は、店舗ごとに常勤スタッフの中から専属の「動物取扱責任者」の選定が必要です。
動物取扱責任者になるには、以下の3つの要件を満たさなければなりません。
1:以下のいずれかに該当すること・実務経験が6か月以上 営もうとする動物取扱責任者の種別と同じ種別での実務経験が半年以上必要です(但し関連があると認められる種別については実務経験として認められる)。
・教育機関を卒業している 高校や大学、専門学校(1年以上教育する)などで、畜産学や動物の生理生態等について教育する学科を卒業している。
・資格を持っている 愛玩動物飼養管理士(1級・2級)、愛犬飼育管理士、愛護動物取扱管理士、家庭動物管理士、動物看護士、動物取扱士などの資格のうちの1つを持っている
2:動物取扱責任者の受講歴があること 受講したことがない人は、新規で動物取扱責任者研修を受講する必要があります。
(東京都の場合は、新規登録申請の2~3か月前に、動物愛護相談センター本所か多摩支所に電話で申し込み)
3:以下の事項に該当しないこと ・青年被後見人や被保佐人、または破産者で復権を得ないもの
・動物の愛護及び管理に関する法律、第19条第1項の規定により登録を取り消され、処分の日から2年を経過しないもの
・法第19条第1項の規定により業務停止を命ぜられ、停止期間が2年を経過していないものなど。
※動物取扱責任者は東京都が開催する動物取扱責任者研修を1年に1回以上受講しなければなりません。
第一種動物取扱業登録申請方法と必要書類
第一動物取扱業の登録申請は、動物愛護相談センター本所(世田谷区)か、多摩支所(日野市)の窓口へ以下の必要書類を持参し申請します(郵送は受け付けていない)。
・第一種動物取扱業登録申請書
・「動物の愛護及び管理に関する法律」第12条第1項第1号から第6号までに該当しないことを示す書類
・飼養施設の平面図及び付近の見取図
・事業所及び飼養施設の土地及び建物について事業の実施に必要な権原を有することを示す書類
・動物取扱責任者研修の終了証の写し
・申請者が法人の場合は、登記事項証明書と役員の氏名及び住所 上記書類の他、申請手数料1種別につき15,000円必要です。
尚、登録申請後は、5年毎に登録更新申請が必要。また、第一種動物取扱業を廃業する際は届け出が必要です。 アニマルカフェで最も注意しなければならないのは、衛生管理と動物の健康状態を保つことです。
衛生管理では、ほとんどの動物の飼育スペースとお客様の飲食スペース・調理スペースは完全に隔離しなければならないことが多くなります。
動物にストレスが少なく、且つお客様にも満足してもらえる店舗づくりのためには、それぞれの動物の生態を考慮したレイアウトや設備に細心の注意が必要になります。
また、衛生管理の詳細な規定は開業する地域の保健所によって異なります。事前に所轄の保健所で確認し、後で内装工事の追加ややり直しがないよう、しっかり保健所や内装業者との擦り合わせが大切です。