店舗用床材の種類と特徴、選ぶ際の注意点!
店舗の内装の中でも面積の大きい床は、店舗のイメージを大きく影響するため、床材選びは慎重にしたいものです。
店舗の業種やコンセプトに沿った床材やデザインであることは当然大切ですが、床材のメンテナンス性、耐久性、価格とのバランスなども重要な要素です。今回は店舗用の床材の種類や特徴、価格などをご紹介いたします。
塩ビ系床材
塩ビ系床材とは、塩化ビニル系樹脂を主成分に作られた、住宅や店舗で最も一般的に採用されている床材です。クッションフロアと呼ばれているクッション性のあるロールシート(長尺シート)状のものやタイル状のものなどがあり、施工性が良く模様や色の種類も豊富。様々な機能を付加したタイプ(抗菌性・耐傷性・遮音性・衝撃吸収性・消臭機能など)もあります。耐水性に優れ汚れにも強く、安価なため様々な店舗で使用されていますが、高級感を求める場合は不向きです。価格はクッションフロアで3,000円/㎡程度~、床タイルは5,000円/㎡程度~。
フローリング材
住宅の床材としても一般的なフローリングですが、店舗用フローリングは土足の重歩行にも耐えられる硬質高耐久の無垢材が使われます。
樹木の種類もメープル・桜・オーク・パイン・ウォールナットなど様々。下地の上に3cm以上の根太が必要なため、5cm程度床が上がります。
仕上げはフローリング用塗料やオイルなど色々な仕上げ方法があります。木質系のナチュラルな雰囲気は、塩ビ系床材とは一味違ったものに仕上がります。
しかしメンテナンスが必要なことや、施工後の多少のスキや反り、突き上げ、床鳴りなどがあることも認識しておきましょう。また、一般のフローリングとは趣の異なる寄木張りのパーケットフローリングもあります。
価格は10,000円/㎡~。
磁器タイル
磁器タイルは耐水性・耐火性・耐候性・耐久性に優れ、メンテナンスが長期に渡り必要がなく、デザインやカラーも豊富。
組み合わせは無限に広がるため個性的な店舗づくりが可能になります。また、酸やアルカリなど薬品に対しても変質しにくいため、美容室やサロンの床材としても最適です。
問題点は重さがあり施工に時間がかかること。
人件費を考慮すると床材としては割高になってしまうことです。
近年は技術開発により、湿度を調節するタイルやセルフクリーニングタイルなど、機能性を付加した磁器タイルも販売されています。
価格は10,000円/㎡~。
カーペット
最近の主流は施工性の良いタイルカーペットですが、高級ホテルなどではロールタイプのカーペットが採用されています。タイルカーペットの素材は大きく分けてナイロンとポリプロピレンですが、耐久性のあるのはナイロン素材です。カーペットの魅力は歩行感の良さや吸音効果があるため静かなこと。また埃の飛散も防ぎます。落ち着いた静かな空間を演出したい場合、カーペットは最適です。しかし汚れやすく、汚れを落としにくいことが難点です。価格は5,000円/㎡~。
石材(天然石)
床材の中で最も高級なのが石材です。大理石や御影石の持つ気品や格調高さは他を圧倒するものがあり、古来より人気のある建材です。ラグジュアリー感を醸し出すには最高の建材と言えるでしょう。天然石は一つ一つの模様や色が異なるのが特徴です。石材は強くて割れにくく摩耗しにくいと思われていますが、石材によって違いがあり、花崗岩は摩耗しにくいですが大理石は摩耗しやすいため、重歩行の店舗などに使用する場合は注意が必要です。また大理石は酸やアルカリ性に弱い性質のため施工場所にも配慮しなければなりません。価格は20,000円/㎡~。
代表的な床材をご紹介しましたが、床材を選ぶ際にはデザインだけでなく素材の特徴も把握し、メンテナンス方法や頻度などもよく理解された上で選ぶようにしましょう。適切なメンテナンスは店舗の美しさを保つだけでなく、貼り換え時期も延長されるため、結果的にはコストダウンに繋がります。クロニカデザインはそれぞれの店舗に最適な床材をご提案し、その後のメンテナンス方法などもアドバイスさせていただいております。