店舗の防虫対策
寒い時期が終わり暖かくなると同時に虫たちの動きも活発になり、防虫対策が必要な時期になってきたことと思います。店舗で気になる虫といえば出入り口から入ってくる蚊やハエ、住みついてしまうとやっかいなゴキブリなどです。簡単にできることから本格的な対策まで、夏を快適に乗り切る防虫対策を紹介します。
蚊やハエなどの対策
コロナ禍で営業中は窓や扉を開けて換気している店舗も多いかと思います。どうしても蚊やハエなどの虫の侵入が気になってしまいます。全ての虫を入ってこないようにするのは難しいものですが、できることをやっておくようにしましょう。
●虫よけグッズを使う
ドラッグストアで購入できるような市販の虫よけグッズです。お店の広さや構造によっては効果が大きく変わるかもしれません。あまりお金をかけずに購入できるので、とりあえず手っ取り早く虫よけ対策したい時に良いでしょう。ドアに吊るすタイプのものや、窓にスプレーをかけるものなどがあります。
また、業務用の商品もあります。「業務用虫コナーズ」は店舗の出入り口付近、窓ガラス、ドア、のれんなどに貼る虫よけシートです。
●防虫蛍光灯に変える
虫は光源に寄ってくることも多いので、店内・店頭で使用している蛍光灯を変えるという手もあります。昆虫が好む紫外線をカットした照明のため、光に集まりやすいコバエ、ガ、トビケラ、ユスリカなどの飛来を防止できます。
●殺虫ライトや捕虫器をつける
殺虫ライトは、殺虫効果の高いブルーライトで虫を誘引して撃退するライトです。虫の死がいの処理が必要ですが、効果の高い撃退方法です。屋内用・屋外用どちらもあります。また、捕虫器という商品の中には粘着式に虫を捕まえるものもあります。捕虫器には見えないデザイン性の高いものや、ブルーライトではない間接照明のような見た目の商品もありますので、おしゃれな店内でも雰囲気を損なわずに取り付けられます。
●窓に防虫フィルムを張る
防虫フィルムは日射・紫外線・赤外線をいくらか反射・吸収してくれるため、室内の明かりに寄ってくる虫を減らすことができます。フィルムを貼ることで窓が割れた際の飛散防止になったり、遮熱効果も期待できます。フィルム自体に防虫の薬剤が練り込まれている商品もあります。
ゴキブリの対策
飲食店ではゴキブリを一度も見かけたことがないというお店の方が珍しいくらいではないでしょうか?飲食店では餌となる食べ物や水気がふんだんにあり、大型の冷蔵庫や食洗器などの裏や隙間といった隠れる場所があります。ゴキブリが好む「温かく・湿度が高く・暗く・狭い場所」がどうしてもできてしまいます。さらには出入り口のみならず換気扇、排水管、排水溝から侵入してくることもあって注意が必要です。
●普段からできるゴキブリ対策
普段から以下のようなことを心がけましょう。
①毎日清掃をして店の中にゴミを溜めない
使い終わった食器類はすぐに洗い、こぼした食べ物や調味料もすぐに拭くように徹底しましょう。営業終了後には生ごみを店内に残さないようにしましょう。
②換気を頻繁に行う
③除湿剤などを置いて湿気を取り除く
●ゴキブリの侵入経路をふさぐ
ゴキブリは外から侵入してきます。次のような侵入経路を塞ぎましょう。
①換気扇、排水管、エアコンの室外機につながる排水ホースは目の細かいフィルターで覆う
②壁のひび割れなどの隙間は埋めたり、破損個所を修繕する
③営業終了後は排水溝に全てフタをしておく
●ゴキブリの駆除
①市販のベイド剤を使用する
ゴキブリが出てしまった場合のおすすめの駆除方法はベイド剤です。ベイド剤とは毒餌剤のことで、ゴキブリに毒の入った餌を与えて死滅させます。そのゴキブリの死がいを食べた他のゴキブリも同じように死んでしまうので、巣ごと駆除することが可能です。市販品では「ブラックキャップ」「コンバット」「ホウ酸団子」などがあります。
②駆除業者に依頼する
市販のベイド剤を設置しても効き目がない場合、駆除業者に依頼するのも一つの手です。飲食店で多く発生するのは主にチャバネゴキブリという種類です。チャバネゴキブリは一般的なクロゴキブリより小さく色も黄褐色をしていて、一見子どものゴキブリのように見えます。このチャバネゴキブリは薬剤や毒餌に対して抵抗力をつけた個体が生き残り、抵抗力が遺伝し大量発生してしまうことがあるようです。チャバネゴキブリは主に一般家屋ではなく工場や飲食店で繁殖します。殺虫成分による淘汰を受ける回数が多く、限られた場所で繁殖するので強い遺伝子を持つ個体が多くなってしまうのです。ベイド剤に抵抗力を持ったゴキブリにも効果のある殺虫剤を駆除業者では取り扱っていますので、ゴキブリが大量発生して困っている場合は業者への依頼を検討してみてはいかがでしょうか?
おわりに
店舗の防虫対策について紹介してきました。日本は冬と夏の差がかなり大きいので四季を存分に楽しめるのは良いですが、夏の暑さ・湿気・虫には本当に苦労しますよね。虫が全然平気な人もいますが、色々なお客さんがやってくる店舗では虫はいないに越したことはありません。ゴキブリなどの虫は食中毒につながることもありますので、甘く見ずに早めの対策を心がけましょう。