個人経営でもPB(プライベートブランド)商品の開発で競合店との差別化が図れる!
近年、よく見かけるようになったPB(プライベートブランド)商品。コンビニやスーパーではもうお馴染みですね。
PB商品の開発は大手の小売業者しか無理…と思っていないでしょうか?
個人経営の小規模な店舗でもPB商品の開発によって、競合する大手チェーン店などとの差別化を図ることができます。
今回はPB商品のメリットや開発方法について解説します。
PB商品・NB商品のメリット・デメリット
NB(ナショナルブランド)とは、テレビCMなどで大々的に宣伝されている有名メーカーの商品のこと。これに対してPB(プライベートブランド)は、販売する小売業者が独自でブランド開発をした商品のことです。
とはいっても、実際に小売業者が行うのは商品の企画や開発のみで、製造はメーカーに委託するという仕組みになっています。
NB商品は、知名度や品質・保証といった面からも消費者が安心して購入できることがメリットですが、どこの小売店でも購入可能なため、販売促進を図るには小売店側が価格を下げて販売することも必要になり、小売店の利益幅が圧迫されるなどのデメリットがあります。
PB商品の製造はメーカーに委託するため、製造のための工場設備を用意する必要がなく、消費者のニーズや小売店のコンセプトを反映させた独自の付加価値商品を開発することによって、競合する店舗との差別化が可能になり、自店のイメージアップにもつながることが大きなメリットです。
しかしデメリットもあり、商品によって一定数の買い取りが原則になっていることもあり、売れなかった場合は在庫が残ってしまうことになります。
個人経営のカフェでもPB商品の開発に注力する店舗が増加
多様化を極める近年のカフェ業界では、本格派志向のカフェや昭和テイストの喫茶店が人気を盛り返し、こだわりのあるコーヒーをお客様に提供したいという店舗が増加しています。
従来の個人経営カフェの多くは、UCCやキーコーヒーといった大手コーヒー製造業者からコーヒー豆を仕入れてお客様に提供しています。
確かに大手コーヒー製造業者の商品は、品質が安定しており安心してお客様に提供することができますが、独自の味や個性を打ち出すことは難しいでしょう。
個性を出すためには、生豆の選定・ブレンド方法・焙煎方法・抽出方法などにもこだわる必要があります。
そのため、オンリーワン・オリジナルブランドづくりに不可欠なのが、開発のサポートをしてくれるOEMメーカーです。
OEMとは他者ブランドの製品を製造することやその企業のことをいい、製造のみならず、企画や商品開発のサポート・アフターフォローまで幅広く協力をしてくれるOEMメーカーもあります。
※OEM=Original Equipment Manufacturing(製造を発注した相手先のブランド商品を製造すること)の略
PB商品の開発の手順
① 委託業者(OEMメーカー)を決める
例えば、オリジナルブランドコーヒーの開発の場合、多くのOEMメーカーがありますが、その中から1社を選ぶ必要があります。OEMメーカーの品質へのこだわりや焙煎方法などは各社のホームページからチェックすることができます。また、看板商品のお試しが可能な業者もあるので、試飲して希望する味や香りに近いメーカーに依頼することをおすすめします。
② OEMメーカーへ相談
顧客(ターゲット)の年齢層・性別・ニーズなどを考慮し、自店のコンセプトやこだわるポイント・要望などをOEMメーカーに相談する。
③ 商品の提案・見積り・契約
OEMメーカーから、要望に合った商品を提案してもらい、見積価格を検討し契約となる。
④ 試作品の試飲・調整
試作品を試飲し、求める味や香りを確認。納得できるまで微調整する。
⑤ 製造・納品
商品の製造が開始され納品に至る。
あらゆる商品でOEM・PBが利用できる
カフェの場合はコーヒーのPB開発に限らず、こだわりスイーツや軽食メニューなどのPB開発も可能です。
例えば、女性客が多い場合はダイエットスイーツや美容・健康系のメニュー開発などはお店の人気につなげやすいでしょう。
自店で商品開発や新しいメニュー開発を行う場合は、商品ができるまでの手間や人件費、食品ロス、設備費用などのコストがかかってしまします。
OEMを利用することで開発や製造にかかる手間やコストが大幅に削減され、スタッフは通常の業務に専念できるというメリットは大きいものです。
OEMメーカーは、それぞれに得意とする商品が異なるため、事前にさまざまな業者の特徴や得意とする商品を調べておくといいでしょう。
今後、益々活発化し増加すると思われるOEM・PB商品。
貴店でも、OEMを賢く利用して、PB(プライベートブランド)を開発し、個性のあるお店づくりを目指してみてはいかがでしょうか。